JSTAMP/NV2.9日本語版と中国語版をリリースしました
公開された:2015-1-29パブリッシャー:admin
はじめに
JSTAMP/NV では、プリ・ポスト処理の高速化と評価機能の充実を重点テーマとして開発を進めております。
Ver.2.9 では、主要ないくつかの処理について高速化を行いました。大規模モデルの取り扱いが容易になり、高精度な解析とその結果評価における作業効率が高まりました。
また、評価機能の充実の観点では、ワークの割れをより精度良く評価できる機能の追加と、ユーザーコンポーネント機能の強化を行いました。
その他ご要望を多くいただいているものを中心に、操作性の改善を行いました。
【更新項目】
1.プリ・ポスト・形状評価機能 高速化
2.ブランクメッシャーの高速化・品質改良
3.非比例変形を考慮した成形限界評価(ご希望のお客さまへ先行リリース※)
4.ユーザーコンポーネント機能の強化 (要素値の CSV ファイルによる指定、履歴での最大・最小評価、等)
5.ファイル容量の削減 (d3plot ファイルサイズおよびファイル数)
6.その他
工具メッシャーのデフォルトのバージョンを変更
ポスト/温度単位の ℃ 表記
etc.
はじめにバージョンアップ時の注意事項を必ずご一読ください。
後半の「更新項目一覧」には、不具合修正を含むすべての更新項目が記載されております。
※ご希望のお客様は弊社サポートセンター JSTAMP 担当までお問い合わせください。
バージョンアップ時の注意事項
JSTAMP の設定ファイル、ユーザー材料データなどの引継ぎ
JSTAMP ver. 2.7.0 より、 JSTAMP ワークフォルダとユーザー定義フォルダの デフォルトインストール先は C:¥JSOL_Shared になりました。
JSTAMP ver. 2.9.0 を初めて起動した際に、手順①を実施してください。
① [ようこそ] ダイアログで、[以前のバージョンの設定を引き継ぐ] を選択し、以前の バージョンのワークフォルダのパスを設定して、[次へ]ボタンをクリックしてください。
手順①
JSTAMP ver. 2.6.3 以前のバージョンから ver. 2.9.0 にバージョンアップした 場合は、手順②を実施してください。
② [ユーザー定義フォルダの設定と引継ぎ]ダイアログで、[以前のバージョンの フォルダをコピーする] を選択し、[コピー元フォルダ] に以前のバージョンのユーザー データフォルダのパスを設定して、[OK] ボタンをクリックしてください。
手順②
Windows 版 MPP LS-DYNA をご利用のお客様へ
JSTAMP ver. 2.6.3 以前のバージョンから ver. 2.9.0 にバージョンアップした 場合は、<インストールフォルダ>¥doc¥JSTAMP-Local-MPP-Execution.pdf の [設定編 2. JSTAMP と MPP LS-DYNA の設定] を実施してください。
1.プリ・ポスト・形状評価機能 高速化
各種機能を高速化し、大規模モデルでの操作性が向上しました。
モデル:ブランク180万要素、ツール90万要素、35ステップ
cf. 機能詳細:[ヘルプ]-[各種操作]-[ファイルの操作]-[WMV フォーマットで保存する]
V2.9 における高速化に伴い、スピードとメモリ使用量の設定の仕様を変更しました。
V2.9 V2.8
2.ブランクメッシャーの高速化・改良
高速、高品質でロバスト性の高いブランクメッシャーを搭載しました。
【使用方法】 (形状・条件設定パネル内の操作だけではなく、メニューを利用します)
1. [ファイル]->[CAD ファイルを開く] メニューより、ブランクラインの CAD ファイルを開く
2. [CAD]->[ブランクメッシュ生成] メニューより、メッシュを生成
3. [ファイル]->[LS-DYNA Keyword ファイルを名前を付けて保存] メニューでメッシュを保存する
4. 形状・条件設定パネル/ブランクメッシュ で、保存したメッシュをインポートする
cf. 機能詳細:[ヘルプ]-[メッシュ生成]-[メッシュを生成する]-[ブランクメッシュを生成する]
3.非比例変形を考慮した成形限界評価
予測精度のよい成形限界評価機能を追加しました。
・変形経路が非比例的(面内ひずみ比が変化)であることを考慮します。
・評価に必要なデータは従来通りです。
4. ユーザーコンポーネント機能の強化
お客様独自のノウハウに基づいて評価をするためのユーザーコンポーネント機能に、次の改良を行いました。
①CSV ファイルより、要素値を直接指定できるようになりました。
②要素値(定義された式を含む)の、はじめのステップからの最大・最小を取得する関数 hmax・hmin が追加されました。定義式内で利用することができます。
③平均 r 値を定義式内で利用することができるようになりました。
① CSV ファイルによる要素値の直接指定
・Excel 等を使用してお客様独自の評価をされている場合にご利用いただけます。
・すべてのステップのすべての要素に対して値を指定する以外に、一部のステップあるいは一部の要素に対してのみ値を指定することも可能です。
cf. 機能詳細:[ヘルプ]-[ポストプロセス]-[任意のコンター図を描画する]-[コンター図の要素値をインポートする]
② はじめのステップからの最大・最小を取得する関数 hmax・hmin
・コンポーネント定義において、要素値(定義された式を含む)の、はじめのステップからの最大・最小を取得することができます。
・例えば、「曲率(*形状)」の絶対値の、はじめのステップからの最大値は、hmax(abs(COMP52ADD3)) となります (abs は絶対値を取る関数、COMP52ADD3 は曲率(*形状) を表します)。
③ 平均 r 値の定義式内での利用
・コンポーネント定義において、R_AVERAGE という定数により、ワーク材料の平均 r 値を参照できるようになりました。
cf. 機能詳細:[ヘルプ]-[ポストプロセス]-[任意のコンター図を描画する]┬[コンポーネントの演算式を定義する]
└[コンポーネント成分のリスト]
5. ファイル容量の削減
解析結果ファイルの容量を削減する機能を追加しました。
① 出力するコンポーネントを減らし、ファイルサイズを小さくする機能
(例)ブランク 180 万、工具 90 万要素、35 ステップ のモデルで 「速度、加速度」「曲げモーメント、...」 をオフにした場合
4 G バイト削減 (21 G バイト → 17 G バイト)
② ステップ毎に解析結果ファイルを出力する機能
⇒ 必要なステップのみを長期保存するような場合に、簡単に削除するファイルを特定可能
③ SB 工程でソルバー LS-DYNA を選択時に [d3plotファイル出力間隔] を指定可能
⇒ 解析ステップ数と同じ値を指定すると、最初と最後のステップのみ出力可能 (例)ブランク 180 万、10 ステップ 合計: 5 G バイト削減 (6 G バイト → 1 G バイト)
cf. 機能詳細:[ヘルプ]-[プリプロセス]┬[input ファイルのオプション設定]
├[[形状・条件設定]パネル]-[セットアップ]-[input ファイルを出力する]
└[[工程フロー]パネル]-[工程設定]-[コントロールを設定する]
6. その他の機能追加、改良
ツールメッシャーのデフォルトのバージョンを [Version 2.0] から [Version 3.0] に変更しました。
・ [Version 3.0] は JSTAMP ver. 2.8.0 で搭載された 曲面近似精度の高いバージョンです。
・[オプション] ダイアログの [メッシャー] タブで ツールメッシャーのバージョンを変更できます。
ポストにおいて、温度の単位を摂氏(℃)で 表示できるようになりました。
・[オプション] ダイアログの [その他] タブで、 温度の単位を変更できます。
メッシュ品質チェックなどの実行時に、重複したメッセージや重要度の低い メッセージをメッセージパネルに表示されないように変更しました。
cf. 機能詳細:[ヘルプ]├[各種設定]-[その他の設定]┬[メッシャーのバージョンを切り替える]
│ └[温度の単位を変換する]
└[各種操作]-[モデルの表示切替]-[選択したパートのみを表示する]
ポストビューのタイトルに、現時点の工程名が表示されるようになりました。
従来は、input 出力時点の工程名が表示されていました。
・また、工程名に日本語が含まれる場合、input 出力時点に置き換えられた PROCESS-1 といった文字列が従来は表示されていましたが、工程名がそのまま表示されるようになります。
工程プロパティにタイトルが設定されている場合は、従来どおり、工程プロパティのタイトルが表示されます。
[形状・条件設定] パネルからメッシュの品質チェック・修正をする際に、パート単位で表示の切替ができるようになりました。
従来は、複数のパートを含むメッシュファイルをインポートした際に、パート単位で切り替えができませんでした。
cf. 機能詳細:[ヘルプ]┬[再解析]-[[工程プロパティ]ダイアログを使う]
└[メッシュ生成]-[メッシュの品質をチェックする]-[品質一括チェック]
更新項目一覧
本バージョンの更新項目
新機能
機能強化
仕様変更
チューニング
修正
既知の問題
LS-DYNA のバージョンについて
JSTAMP/NV 同梱の LS-DYNA(Windows版)
機能別 推奨 LS-DYNA バージョン
既知の問題
※記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。
本バージョンの更新項目
新機能
機能強化
仕様変更
チューニング
修正
既知の問題
LS-DYNA のバージョンについて
LS-DYNA 971 R6.1.1 以外のバージョンをローカルマシンで使用する場合は、メニューの [ツール]-[ソルバー設定] から 設定を変更してください。 これら以外のバージョンと Windows 版以外のモジュールにつきましては、ダウンロードサイトより個別に取得してください。
機能別 推奨 LS-DYNA バージョン
LS-DYNA のご使用にあたっては、バージョンアップごとに軽微な不具合が修正されているため、最新バージョンのご使用を推奨します。
下表は、正しい計算を行うことができる LS-DYNA のバージョンに制約がある機能についてのみ、推奨バージョンを掲載しています。
既知の問題
JSTAMP/NV V2.9.0 リリースノート
2014.12
本文書に記載されている会社名、製品名、機種名などは、一般に各社の商標または登録商標です。
本文書では、ⓇおよびTMマークは明記しておりません。